午前0時、夜空の下で
窓から覗いていたミスティアが、感心したように呟いた。
黎国では深緑色や藍色など、落ち着いた色合いを好む魔族が多い。
それに対して琅国は、赤や黄色など原色に近い色を好む魔族が多いのだ。
「派手って言っても、商人や貴族、それに皇族だけよ。……奴隷は言わずもがな、庶民層でも身なりを気にする余裕なんてないし。商人が派手な店を出すから、街全体が賑やかなだけ。そういえば黎国って、ほかの国と比べても暗い色を身に纏ってる魔族が多いよね」
「黎王陛下がいらっしゃる国じゃけぇ、仕方ないやろ。琅がおかしいねんて。黒は魔界の至上の色やで」
言葉を交わす間にも、馬車は速度を落とすことなく進んでゆく。
人で溢れはじめた街を抜け、馬車の振動に身を揺らしながら、斜面を上り――……
やがてゆっくりと、馬車が止まった。
声もなく、ミスティアは呆然と琅の城を見上げる。
黎国では深緑色や藍色など、落ち着いた色合いを好む魔族が多い。
それに対して琅国は、赤や黄色など原色に近い色を好む魔族が多いのだ。
「派手って言っても、商人や貴族、それに皇族だけよ。……奴隷は言わずもがな、庶民層でも身なりを気にする余裕なんてないし。商人が派手な店を出すから、街全体が賑やかなだけ。そういえば黎国って、ほかの国と比べても暗い色を身に纏ってる魔族が多いよね」
「黎王陛下がいらっしゃる国じゃけぇ、仕方ないやろ。琅がおかしいねんて。黒は魔界の至上の色やで」
言葉を交わす間にも、馬車は速度を落とすことなく進んでゆく。
人で溢れはじめた街を抜け、馬車の振動に身を揺らしながら、斜面を上り――……
やがてゆっくりと、馬車が止まった。
声もなく、ミスティアは呆然と琅の城を見上げる。