午前0時、夜空の下で
クロスリードが軽く扉を叩いて心の来訪を告げると、奥から入れ、という言葉が届いた。

扉越しではあるものの、その艶のある声は紛れもなく、心が地下で聞いたあの声で。

「最後に一言だけ、忠告しておきます」

クロスリードは煌めく美貌に、笑みを浮かべて心を見据えた。

「陛下の機嫌を損ねないこと。これが、あなたがこの世界で生き残る唯一の方法です」

そんなありがたくない忠告と共に、扉は開かれた。

背を押され、胃が縮むような緊張を味わう。

「――悪くない」

鼓膜を揺らした第一声は、甘く響く。

入ってきた心に視線を向けた男は、面白そうに口を歪めた。

一方の心はというと、男を目にした瞬間、息を呑んでいた。
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