午前0時、夜空の下で
彼女の脳裏に浮かぶのは、崇高なる魔界の主。

もう忘れられてしまったのではないか、と自嘲的な笑みを浮かべる。

離れてしまっている今、心にはどうすることもできない。

とりあえず、一刻も早く黎に戻らなければならないだろう。

どうやって妃月に会うかという問題がまだ残ってはいるが。

小さく溜息をついたところで、部屋の扉が叩かれた。

「……ココ? リーダー、そろそろ出るみたいだけど――どうする?」

反乱に与するか、否か。

心がウィーザーとともに行動していると言っても、彼女は奴隷ではないため、ミルフィーユが気を遣ったのだろう。

今ならまだ逃げられるから。

「そっか、すぐ行くね」

扉の向こうで返事を待つミルフィーユに、心は迷うことなく言った。
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