午前0時、夜空の下で
「誰にものを言ってる? 私はお前を守ると言ったはずだ」

言うと同時に抱き上げられ、心はキシナに抱き着く形となった。

そしてすぐに身体を引き離し、ちらりと視線を落とした後、まじまじとキシナの顔を見つめる。

その瞳には驚きと困惑が浮かんでいる。

「何だ」

「ううん……あの、キシナって……」

躊躇いがちに口を開いた心だったが、その先を言葉にすることなく、振り切るように首を振った。

今は時間がないのだ。

「行こう」

――運命を見届けるために。



ミルフィーユは焦っていた。

ウィーザーは売人を襲い、囚われの身となっていた奴隷たちを次々に解放していく。
< 348 / 547 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop