午前0時、夜空の下で
だが、突然バタリと目の前に倒れてきたウィーザーの姿に、ハッと我に返った。

「大丈夫? どこを怪我したの!?」

真っ青になって跪いたミルフィーユへと、彼は手を伸ばしてくる。

「ミ、ル……はやく、逃げ……」

紅く染まった手は、ミルフィーユが掴む直前に地面へ吸いついた。

虚空を見つめた瞳から、光が失われる。

「ねぇ、やだ、起きて……」

血で濡れた身体を揺らすものの、ピクリとも動かない。

心臓はすでに動きを止め、永遠の眠りが彼を支配していた。

魔族の寿命は長い。

しかし、いつかは必ず死を迎える。

悲鳴とともに近くで血飛沫が上がり、ミルフィーユの頬にも飛び火した。

「どうして……」

死に直面するたびに、何度も沸き上がる思い。

どうして死ななければならなかったのか、と。

戦いで死んでゆくウィーザーや、捕われ絶望の中死んだ奴隷たちに、何の罪があっただろうか、と。

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