午前0時、夜空の下で
考えても考えても、答えが出ることはない。

ただ、一つだけ言えるとするならば。

「ココだけは、絶対に死なせちゃいけない……」

奴隷であるミルフィーユに名を与え、ウィーザーに希望を見せてくれた、彼女だけは。

ミルフィーユは顔を上げると、思い切り足を踏み出した。



「変だな……」

微かに呟やかれたそれに、心は首を傾げた。

キシナは心を抱き上げたまま、反乱のせいで騒然とする王都の中を駆け抜けてゆく。

顔を上げれば倒れたウィーザーが目に留まり、耳には悲痛な叫びや轟音が飛び込んでくる。

「一切邪魔が入らないんだ。私たちに切り掛かろうとする傭兵が、まったくいない」
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