午前0時、夜空の下で
「人間の話はともかく……ココたち、大丈夫かしら?」

そう言って心配そうに、アシャンは琅の方角を見遣った。

琅で起こったウィーザーの反乱は、黎国にも瞬く間に広まっていた。

黎明館の旦那からすべてを聞いたアシャンは、心たちが今どこにいるのかもきちんと把握している。

「三人とも、黎明館には戻らないかもしれないわね……」

寂しそうなその呟きは、朝の清涼な空気に溶けて、消えた。



そこは、呼吸すら躊躇うほどの沈黙に包まれていた。

城の中の大広間。

普段は謁見や夜会が行われる場所で、心たちは磨き抜かれた冷たい石の床に跪き、俯いている。
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