午前0時、夜空の下で
「すべてを捧げると言ったのはお前だろう?さっさと脱げ。そしてこれに着替えろ」

言葉と同時に投げ渡されたのは、真っ黒なワンピース。

レースも刺繍もないが、柔らかい布地が肌に優しそうだ。

「え? ……じゃあ、何で私、わざわざドレスなんて着せられたんですか?」

ワンピースに着替えるのなら、ドレスを身につけたあの苦労は何だったのか、と首を傾げた心に、男はあっさり言ってのけた。

「私が見たかったからだが?」

あまりに傲慢な物言いに、心は男を鋭く睨む。

「何様ですか!」

「この世の王だ」

「……」

当然のように言われてしまえば返す言葉もない。

何とも言えない表情を見せる心に構わず、男はさっさと部屋を出ると、入れ代わりでシリアとメイジーが入ってきた。
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