午前0時、夜空の下で
「城の前にいたから連れて来たんだ」

その姿を目にして、レインの双眸がさらに大きく見開かれる。

「なっ、ジェイ? お前が……わざわざ?」

ジェイは呆気にとられた様子で固まったレインを無表情で一目し、そのまま逸らされた彼の瞳が心を捉える。

一瞬だけ、その瞳が和らいだ。

レインより暗い灰色の髪に、青藍の瞳をもつ男。

誰、と問い掛けようとした心の声は、怒りに満ちたミスティアの声に遮られた。

「アンタ、誰なん!? 黎明館の前でレインと話しよったやろ!」

ミスティアの言葉に誰もが首を傾げたが、頭の隅を掠めた記憶に心もハッと息を呑んだ。

ノーラたちが必死に隠そうとした、あの朝の光景。
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