午前0時、夜空の下で
ジュリアは躊躇うように唇を噛むと、そっと口を開いた。

「どこから話せばいいのかしら。……この世界は、魔王陛下が治める黎と、八つの大国、そして数え切れないほどの小国で成り立っているわ。小国はもちろん、大国にとっても魔王が統治する黎は特別な国なの」

ジュリアの言葉に、ミスティアは不満げな表情を浮かべる。

「そんなん、誰でも知っちょるやろ。前置きはいいけん、さっさと話してよ」

ジュリアはそうかしら?と小さく笑ってちらりと心に笑みを見せる。

それを目にした瞬間、鼓動が跳ね上がった。

――まさか、私がこの世界に詳しくないって……知ってる?

頭を過ぎる憶測に、考えすぎかもしれないと心は首を振った。
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