午前0時、夜空の下で
けれどもそれが現実となって目の前に現れると、心は動揺を隠せなかった。

「――大丈夫ですか」

突然囁かれた声に、心の肩が跳ね上がる。

いつの間にか、ジェイが心の傍に立っていた。

微かに震える心を見て眉根を寄せたジェイは、ひっそりと囁く。

「落ち着きなさい。惑ってはいけません」

初対面でそのようなことを口にするジェイを不審に思ったものの、そのおかげで心は少しだけ余裕をもつことができた。

「ヴェルディ様が特別なわけではないの。大国同士で抜け駆けをなくすため、一人の姫を嫁がせることが通例なのよ。その姫は魔王陛下によって指名される。……実際には陛下の側近たちが決めているようだけど」

ジュリアは淡々と言葉を紡いでいく。
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