午前0時、夜空の下で
心の代わりに声を上げたのは、不満げに口を尖らせたミスティアだった。

「なんか……勝手すぎん? 魔王様の側室に勝手に向こうから指名されて、拒否したら幽閉て。嫁いだってすることもないんやし、魔王様に気に入られんと行く意味ないやん? そんなん、誰も得せんやろ」

言葉を吐き捨てるかのように声を出したミスティア。

そんな彼女を見たジュリアは冷静に口を開く。

「確かにそうね。……でもそれは当然のことよ。一国の姫として生まれた者の宿命であり、義務でもある。貴族だって親が決めた相手と結婚しなければいけないし――ミスティア、あなたもよ。琅に嫁ぐなら、相応の覚悟を決めなさい」

ジュリアの言葉にミスティアは目を見開いたものの、何も言わなかった。
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