午前0時、夜空の下で
悲痛な声で泣き叫び、それでもヴェルディはリーダーを見つめる。

リーダーは苦しげに顔を歪ませ、ヴェルディだけを見つめた。

「それでも、俺は……」

「じゃあ、代わりの皇女がいればいいのよ!」

何かを言おうとしたリーダーを遮ったのは、ニッコリと笑みを浮かべたジュリア。

唐突なその言葉にレインは眉根を寄せ、訝しげに首を傾げる。

リーダーやヴェルディも不意を突かれたような表情を見せた。

「……ほかの皇女を代わりに行かせる、ということですか? ジュリア殿もご存知と思いますが、この国の貴族の地位は皇族と同等です。魔王陛下の機嫌を損ねかねないそのような行為、彼らが許すとは思えません」

内密にしてもいつ知られるかわからない、とレインは首を振ったが、ジュリアは悠然と笑顔を浮かべている。
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