午前0時、夜空の下で
「あら、誰が皇女を代わりにするなんて言ったかしら? そんなの、すぐにバレるじゃない。隠し通す方法はただ一つ、もともといなかった者を代わりにすればいいのよ。――例えばそう、奴隷とか」

ジュリアが笑顔を向けた先に立っていたのは――……

「私……?」

心、だった。

目を丸くする心に、ジュリアは満面の笑みで頷く。

しかしレインやミスティアは眉をひそめ、リーダーたちも戸惑い気味に顔を見合わせた。

「ですがジュリア殿、ココは奴隷ではありません。黎明館で働いているんですよ? 黎明館にいる限り、本人が希望しなければ引き抜くことは不可能です。それに私は、身代わりの皇女を認めるつもりなど――」

「本人が希望しなければ、でしょう? それに、ヴェルディ様をこのまま黎に留めることは不可能じゃないかしら。もしウィーザーのリーダーたちに死刑を執行すれば――彼女、死ぬわよ」

誉の雫と称えられるノースヴァン家の言葉に、レインは絶句した。

「ねぇ、ココはどうしたい?」

ジュリアの声に促され、心は拳を握り締める。
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