午前0時、夜空の下で
遠い遠いと感じていた黎への近道が、目の前に示されたのだ。

叶わないと思っていた望みが、目の前にある。

これを逃したらいつ黎に戻れるかどうかもわからないし、……少しでも早く、妃月に会いたかった。

――だったら。

「私は、やりたい」

「ココ!!」

言った瞬間、ミスティアが咎めるように声を上げる。

思わず顔を動かし、宛がわれていた剣で首に微かな傷を負ったものの、ミスティアは構わずに声を張り上げた。

「アンタ、何考えとると!? ふざけんな! 黎に嫁ぐんは、琅に嫁ぐんとは訳が違う。この世界を統べる魔王様なんよ? あの方はアタシたち魔族……ううん、ほかの種族ですら畏怖する神様や。さっきの言葉は聞かんかったことにするから、やめとき!」
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