午前0時、夜空の下で
無我夢中で心を説き伏せようとするミスティアだが、彼女がどれほど声を上げようと心は首を縦には振らなかった。

「お願いミスティア。私、行きたいの」

「ダメだって言ってるやろこの分からず屋!」

「――ジェイ、お前はどう思う」

二人を遮るように声を上げたのは、疲れた様子で眉間を押さえたレインだ。

ジェイの考えを求める言葉にミスティアは耳を疑い、心は戸惑いの表情を浮かべ隣に立つジェイを見上げた。

「……一つだけ、確認したいことがある。唯一の望みを何にするか、だ」

ジェイは無表情のまま心を見下ろし、抑揚のない声で問い掛ける。

「選ばれし姫君だけに許される唯一の望み……あなた自身が奴隷制度廃止を願わなければ本末転倒でしょう。自らを犠牲にしてでも、あなたは奴隷たちを守りたいと思いますか?」
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