午前0時、夜空の下で
『主よ、事態は急を要します。どうかお聞きください。黎に入国しても、決して城に入ってはいけません。直ちに我らがお迎えに上がりますので、それまではどうか……耐えてくださいませ。……の命が掛かって……です。此度の……ては……による陰謀で……』

心はだんだんと意識が遠ざかってきていることに気づき、必死でその場に留まろうとする。

黒い“何か”の言葉を聞き逃すわけにはいかない。

もし、これが心に向けて放たれている言葉だとしたら、城は――妃月は。

『……ですね?我らは……、……』



目覚めだ。

シーツに顔を埋めたまま、夢の中の出来事を辿ってゆく。

夢だと断ずるにはあまりに不穏な内容に、心はシーツをきつく握り締めた。

黒い“何か”の正体すらわからない状態では誰かに話す気にもなれず、ベッドの中でゆっくりと息を吐き出す。

――リーヴル様。

黒い“何か”は心に――否、青い小鳥に向かってそう呼びかけた。
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