午前0時、夜空の下で
『ハジメマシテ。ヤットハナセタ』

「……リーヴルさま? 本当に?」

アッシュの存在があるため、小鳥が話せたとしても不思議ではないのかもしれないが、心の記憶が確かならリーヴルとは初代王妃の名だ。

まじまじと小鳥を見つめてしまう。

『ソウ、リーヴル。イザヨイノキミニオツカエシテタ』

「いざよいのきみ……?」

『カルマ、ドコ? カルマ、カルマ』

「かるま……?」

成り立たない会話に困り果てて心が首を傾げると、窓際からコツリと小さな音が鳴った。

目を向ければ、黒い布に身を包んだ人物が控えている。

全身どころか顔すらも布で覆われており、男性か女性かすら判別はできない。

急に現れた不審人物に心が固まると、リーヴルが窓際に飛んでガラス窓を突き始める。

『カルマ、カルマ』

「……お知り合いですか?」

『カルマ、ミカタ。アケテ、アケテ』

リーヴルの声に心も意を決し、恐る恐る窓を開けた。
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