午前0時、夜空の下で
「いざよい? ……初代王妃はリーヴルさまじゃないんですか?」

静かに話を聴いていた心は、傍らで毛繕いに勤しむ小鳥を見遣った。

謎を秘めた小鳥はお喋りをやめ、我関せずとばかりに好き勝手している。

「リーヴル様は十六夜姫の供として魔界に来た霊鳥と言われています。
……当時の魔界では、十六夜姫の名は禁忌とされておりました。
魔族は王を殺す血を持つ“イザヨイ”を禁忌の名とし、その名を呼ぶことを厭ったそうです。
それ故いつの間にか、十六夜姫ではなくリーヴル様の名が初代王妃とされてしまったようですね」

「……じゃあ、どうしてリーヴルさまが……、その、生きているんですか?」

うっすらと青い羽は、今にも消えそうなほど儚く美しかった。

今、目の前にある命は、初代王妃とともに己を厭う魔界を生き抜いたのだ。
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