午前0時、夜空の下で
「陛下が一時期、魔界から姿を消されたことはご存じですね?
あの時、魔界は混乱しましたが、天界では天王によって陛下が人間界にいると突き止めていたそうです。
天王の持つ予知能力によるものだとか……。
陛下は黎稀王の再来と謳われるほどの魔力の持ち主ですので、天界も陛下によってもたらされる、世界の均衡への影響を警戒していました。
しかし当時は、魔界よりは人間界の方が世界に及ぼす影響が少ないと判断し、天王はそのまま魔界には知らせず、天界から監視の天族を送ったのです。
……それがあなたのお祖母様でした」

「おばあちゃんが、天族……?」

信じられない、と心は首を振った。

心が生まれる大分前に亡くなってしまったが、彼女にとって祖母はとても身近な存在だった。

祖父は心から祖母のことを愛していたため、いつも心たち孫に祖母の話を聴かせていたし、佐伯もたまに祖父母の仲睦まじい話を語ってくれたのだ。
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