午前0時、夜空の下で
心は自分の視界が潤んでいくのを感じた。

祖母の死の要因が妃月にあったこと、自分が純粋な人間でなかったこと、祖母と佐伯が命を懸けて封印した魔王を自分が目覚めさせてしまったこと、出会った時の記憶を失ったこと……すべてが、哀しい。

「深雪様と十六夜姫の間に血縁関係はありません。
関係はないにもかかわらず、何の因果なのか心様に十六夜姫の魂が宿ってしまった。
それに心様は、天力をほとんど受け継がなかったお父様に比べて、天族に大変近い血をお持ちです。
人間界にいた時は天力に影響されることもなく、その血は眠っている状態でした。
……ですが、魔界には魔力が満ち溢れ、心様が持つ天族としての血も影響を受けてしまった。
魔界に来て記憶が消えかけているのは、心様の天族の血が目覚めかけているからなのです」

にわかには信じられない話である。

< 456 / 547 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop