午前0時、夜空の下で
あまりにも現実離れしているように感じたが、魔界に来てからのことを思うと辻褄は合っていた。
窓の外に目を向けると、空が白み始めていた。
日が昇れば、黎明館の蝶たちが動き出す。
「心様。代々魔王陛下の王位継承は、ある一つの儀式によって交わされてきました。
その儀式を執り行うことによって、正式な魔王の座に着くことができます。私たちはそれを、終の継承と呼んでおります」
「カルマ様、そのお話は……」
一切の口出しをしなかったキシナが、躊躇いがちに声を上げる。
ちらりと心を見遣る瞳には、心配の色が見え隠れしていた。
「キシナ殿のお気持ちはわかりますが、いずれは心様の知るところになりましょう。
……心様、魔界にあるほとんどの国は世襲制でございます。ですが、黎では剣が王を選ぶと言われております」
「剣?」
「歴代の魔王の血を啜ってきた、魔剣でございます。その名も――新月」
窓の外に目を向けると、空が白み始めていた。
日が昇れば、黎明館の蝶たちが動き出す。
「心様。代々魔王陛下の王位継承は、ある一つの儀式によって交わされてきました。
その儀式を執り行うことによって、正式な魔王の座に着くことができます。私たちはそれを、終の継承と呼んでおります」
「カルマ様、そのお話は……」
一切の口出しをしなかったキシナが、躊躇いがちに声を上げる。
ちらりと心を見遣る瞳には、心配の色が見え隠れしていた。
「キシナ殿のお気持ちはわかりますが、いずれは心様の知るところになりましょう。
……心様、魔界にあるほとんどの国は世襲制でございます。ですが、黎では剣が王を選ぶと言われております」
「剣?」
「歴代の魔王の血を啜ってきた、魔剣でございます。その名も――新月」