午前0時、夜空の下で
カルマの言葉に心は瞠目した。

血の気が引いているのを感じながらも、恐る恐る口を開く。

「魔王の血を……?」

「次期魔王候補だけが、その剣を手にすることができます。
歴代の魔王は次期魔王候補が現れると、己の役目が終わったことを知り、自ら死を選びました。
そして次期魔王候補は新月で魔王陛下の遺体を貫くことにより、魔力の継承がなされます。
これが、終の継承でございます」

心は呆然とした様子で一点を見つめ、キシナは苦しげに俯いている。

それはそうだろう、とカルマは静かに彼らを見守った。

終の継承は魔王の傍近くに仕える者にとっては、彼らの主の身体を悪戯に傷つけるものでしかないのだ。

かつて死を拒んだ魔王もいたが、次期魔王候補の手によって新月に貫かれ息絶えた。

どれほど絶大な魔力を有していようと、新月は必ず王を貫く。

次期魔王候補の出現は、魔王を死に至らしめる予兆なのだ。



「そして恐らく、貴女が次期魔王候補なのです――心様」


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