午前0時、夜空の下で
「有り得ない」
カルマの言葉を心は即座に一蹴した。
怒濤の展開に彼女の頭の中は沸騰状態だったが、それでも否定するだけの理性は残っていた。
「私に天族の血が流れているとしても、魔族の血なんて一滴も流れていません。それが次期魔王候補だなんて、不可能です」
「魔王は必ずしも、魔族であるとは限らないのです」
「……え?」
確かめるように心がキシナを振り返ると、彼女は厳しい表情で首を振った。
「そんな話は聞いたこともありませんし、前例もありません。一体どのような根拠があって、そのようなことをおっしゃるのですか」
「十六夜姫でございます」
「初代王妃が、何か」
「かつて黎稀王の御世では、十六夜姫が次期魔王候補となられました」
驚愕に満ちた沈黙がその場を支配した。
窓の外では日が高く昇っている。
部屋を仕切るように垂らされた布には、魔力によって防音の仕掛けが成されているため、部屋の外の声は聞こえてこないが、日が昇ってからは黎明館が動き出す時間だった。
カルマの言葉を心は即座に一蹴した。
怒濤の展開に彼女の頭の中は沸騰状態だったが、それでも否定するだけの理性は残っていた。
「私に天族の血が流れているとしても、魔族の血なんて一滴も流れていません。それが次期魔王候補だなんて、不可能です」
「魔王は必ずしも、魔族であるとは限らないのです」
「……え?」
確かめるように心がキシナを振り返ると、彼女は厳しい表情で首を振った。
「そんな話は聞いたこともありませんし、前例もありません。一体どのような根拠があって、そのようなことをおっしゃるのですか」
「十六夜姫でございます」
「初代王妃が、何か」
「かつて黎稀王の御世では、十六夜姫が次期魔王候補となられました」
驚愕に満ちた沈黙がその場を支配した。
窓の外では日が高く昇っている。
部屋を仕切るように垂らされた布には、魔力によって防音の仕掛けが成されているため、部屋の外の声は聞こえてこないが、日が昇ってからは黎明館が動き出す時間だった。