午前0時、夜空の下で
「出ないと思っていたのだが」

クッと、形の良い柳眉が歪む。

妃月は不機嫌そうに目の前の少女へと目を向けた。

「……煽られたな?」

少女は何も答えない。妃月は小さく溜息をついた。

「まぁ、良い。心を認めない連中を黙らせるには、いい機会だ。……その代わり、お前は動くな」

最後の一言に驚いた少女は、思わず口を開こうとしたが、妃月の鋭い視線に黙り込んだ。

「……分かっているとは思うが、お前たちもだ」

妃月の視線の先にいるのは、クロスリード。

そしておそらく、今頃心の護衛についているであろうアルジェンにも、その言葉は向けられているのだろう。
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