威鶴の瞳
そして今、私の目の前には机があって、そこには見慣れた水晶玉。
占い師のフリをするために最近になって買った、水晶玉。
それなのに、少し傷が付いているように見える。
使われた痕跡……まだ買ってそんなに経っていないのに?
本当に?
本当に日が経っていないの?
今度は自分の記憶を疑い始めた。
なんでこんなに景色がころころ変わって、状況もころころ変わる?
もしかして……姉と同じように記憶が無くなっている、とか……?
――そう考えると、今ある状況がとても怖くなった。
今ここにいる一瞬一瞬の中でも、意識が途切れているような気がする。
数時間経った。
その中でいつも通り、占いを何度かした。