威鶴の瞳


「トーマは、変わりましたね」

「……そうですか?」

「はい」



私は聞きながら、食事を進める。



「透眞に、あなたのことを話してよかったです。まさか透眞が自分から興味を持って会いに行くなんて思いませんでした」



あれ、なにか引っかかる。



私とトーマが初めて会ったのは、風邪ひいている時に、家でだ。

でも、遥香さんにはそうは説明していない。

これはたぶん、二回目に会った時の話だ。



そりゃそうだよね。

あの出会いは、柴崎依鶴を知らない人には言えない。

勝手に家に来て鍵なしでこじ開けて中に入って来たなんて……ね。



「依鶴さんは、トーマ、どう思いますか?」



いきなりそんな事を聞かれ、驚いた。

< 447 / 500 >

この作品をシェア

pagetop