教組の花嫁
「君は和服が似合いそうだね、と教祖様が言われた時、私はピーンと来たの」
百合葉が気が変わった、その理由を語り始めた。
「何をですか?」
「小波さんを教祖様は、気に入ってらっしゃるとね。あなたなら教祖様は、受け入れられるかも知れないとね」
「私なんかより、嶋中ほのかさんの方が余程、魅力的だと思いますけど・・・」
小波は話をはぐらかせた。
「嶋中ほのか?彼女なんて駄目よ。いくら彼女がその気でもね」
百合葉が冷たく言い放った。
(ほのかは教祖様に気がある。そうか。だから、ほのかは教祖様と話し合った後、急に東京に帰ったのか。きっと、そうだ)
小波はさらに推論をした。
(と言う事は、教祖様はほのかを、袖にしたのか)
小波の思いがある結論に達した。