教組の花嫁
 
 「生き返る思いだよ。千葉君がいなければ、私はもうとうの昔に死んでいるよ」


 道心が呟いた。



 「大事なお体です。教祖様にもしもの事があれば、この教団もきっとお仕舞いなりますわ」

 「そうかね」


 「そうですよ。だから、私が教祖様を守って差し上げますわ」

 「ありがとう。頼りに出来るのは千葉君だけだ」


 「今日は、何時にバーを開店しましょうか?」

 「雑用を済ませてからだから、9時頃になると思う」


 「では、お待ちしていますわ」

 「済まないね。楽しみにしているよ」


 百合葉は、風呂場を跡にするとバーに向かった。



 住居棟の3階左半分は教祖の住居。右半分に教祖室、瞑想室、バー、バス・サウナ&マッサージルームがあった。


 百合葉は7時に住居棟1階のエレベータの前に現れた。






 
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