教組の花嫁
小波と高沢純はすでにその場に来ていた。
「お待たせ。それでは、行きましょうか」
百合葉がエレベータに乗ると、二人もその後にしたがった。
住居棟の2階は部屋が10室以上整然と並び、まるでホテルのようだった。
百合葉は一番奥の右側の部屋に二人を導き入れた。
広さは10畳位。奥には6畳の和室。
他はフローリングになっており、そこには応接セットが置かれていた。
和室は左側一面に鏡が貼り付けられ、右側に女性用のドレスと着物が、所狭しと並べられている。
(ここは衣装部屋みたい)
小波はそんな印象を受けた。
「ポカーンと部屋を見ていないで、そこにお座りなさい」
百合葉が二人を座るように促した。