教組の花嫁
 
 二人は椅子に腰を掛けた。


 「奉仕と言うのはねえ、難しい仕事じゃないのよ。教祖様のお酒のお相手をするだけなのよ」


 百合葉が奉仕の説明を始めた。



 「今日はバーを開店するので、カウンターの中に入って欲しいの」


 「バーですか?」


 驚いた顔をした純が口を開いた。


 「そうよ。教祖様専用のバーよ。教祖様は雲上人よ。場末の飲み屋なんかに行ける訳無いでしょう。だから、私たち信者が代わって慰めて差し上げるのよ」


 「へえ、教祖様専用のバーがあるねんて、びっくりやわ」

 「半年ぶりに開店するのよ。大目に見てあげてね」

 「奉仕とは、ホステスをすればいいのですか?」


 小波が尋ねた。


 「まあ、そう言う事ね」


 (良かった)


 小波は奉仕の内容を知って、内心ほっとした。





 
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