教組の花嫁
小切手には、1000万円という数字が印字されていた。
「将来、財産は私たちのものになると思うけど、今は奥様がおられるから、この先何が起こるかわからない。それは、教団からの出産祝いだと思って、受け取っておいて」
「わかりました。ありがとうございます」
小波は、出産祝いの小切手を遠慮無く受け取った。
百合葉は、教団の資金の管理を道心から委ねられていた。
今、道心に万一の事があれば、本妻の泰子ともめるのは目に見えている。
(教祖様の跡継ぎは出来た。後は、泰子を教団から追放するだけだ。この企てを早急に練り上げなければ・・・)
(どんな手を使っても・・・)
百合葉は、横柄な泰子の顔を忌々しく思い浮かべていた。