教組の花嫁
道心は教祖室に戻ると、急いで百合葉に電話を入れた。
「私だが。急いで、教祖室まで来てくれないか」
「わかりました。今すぐそちらにお伺い致します」
百合葉が、急ぎの用とは何か、考えながら教祖室に向った。
百合葉が教祖室のドアをノックした。
コンコン。
「入りたまえ」
「何か御用ですか、教祖様」
百合葉が足早に教祖室に入って来た。
「千葉君。君に折り入って頼みたい事があってね」
道心が、百合葉に威厳を持って言った。
「何でしょうか」
「泰子の事だけど」
頼み事とは、道心の妻に関する事らしい。
「奥様の・・・」
百合葉が奥様の件と知って、次の言葉に期待を持った。