教組の花嫁
 
 「これで、壊れた物を・・・」


 北河は、髪を取り乱し呆然としているほのかの腕を摑むと、急いで外へ連れ出した。


 「手を組めない訳がわかっただろう」


 北河は捨て台詞を残すと、逃げるように立ち去った。


 ほのかは道路に泣き崩れた。
 行き交う人が、何事かと、ほのかに軽蔑した視線を投げ掛けた。


 「酒や」


 「酒をよこせ」



 ほのかは、半狂乱になって酒を求めた。


 「うちを誰やと思とんねん。あの大女優、嶋中ほのかやいうのが、わからんのか」


 「わかったら、つべこべ言わずに酒を持ってこんかい」



 「酒や言うのがわからんのか。あほんだら・・・うううっうう・・・」



 ほのかは人目も気にせず、酒を求めて狂ったように泣き喚いていた。






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