教組の花嫁
「そうだ。今から千葉君をそちらに向かわせる。千葉君を病気にしよう。君は付き添いのお婆さんに変装できるか」
「付き添いのお婆さんですか」
ほのかが道心の発想に驚いた。
「白髪のかつらなら変装用に持っていますが」
「それを使おう。服は千葉君に適当に揃えさせる。裏のガレージを開けておくから、そこに救急車を着けるのだ。千葉君が部屋に行くまでに、君はお婆さんのメーキャップをしていてくれ」
「わかりました」
ほのかは電話を終えると、急いでお婆さんになる為にメーキャップを始めた。
幸い一度だけ、お婆さん役はした事がある。
ほのかはメーク箱の化粧道具を駆使して、顔に皺を作り、老婆の顔を丁寧に作って行った。