教組の花嫁

 「君は煩悩の奴隷になっている。真剣に瞑想して心を無にしたまえ」


 道心が毅然として言った。


 「私の気持ちがわかっていただけないのですか。教祖様、あんまりですわ」



 ほのかはソファーから立ち上がると、スカートのままカーペットの上に座り、いきなりあぐらを組んだ。



 「私の煩悩は東京に置いてきましたわ。千年、瞑想しても、教祖様への愛は変わりませんわ」



 ピンク色のスカートが、朝顔の花のように花びらを広げている。


 ほのかは、涙を浮かべながら怪しく咲いていた。


 「瞑想するなら道場に行きたまえ」


 道心が冷たく言い放った。



 「教祖様は、私を皆のさらし者にしたいおつもりですか。なぜ、瞑想するなら瞑想室に行けと言われないのですか」



 ほのかは失望をした。






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