教組の花嫁
 
 「あそこは私が瞑想する所だ」


 道心が毅然とした声で言った。


 「教団の為に、これだけ尽くしている私が困っているのに、瞑想室を使う事もかなわないのですか」


 「瞑想するだけなら、自分の部屋でも出来るだろう」


 ほのかが、瞑想室を使う事を道心は決して許さなかった。





 わあ、わあああ~~~。





 その言葉を聞いて、ほのかは教祖室を走って出て行った。



 余りにも自分が惨めだった。

 余りにも情けなかった。

 余りにも悔しかった。




 「畜生!」


 「小便臭い小娘が。殺してやる」



 ほのかが思わず汚い言葉を口走った。





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