眠り姫の唇


「あれ?もしかして怖がってる?意外とカワイーね。」


「あの、本当にそういうのいいですから。」


瑠香は焦っていた。

実はこんなあからさまに男性から誘われたのは初めてだったのだ。


鬱陶しい。


タバコ臭いのが更に鬱陶しい。

でもどう対処するのが正解なのか。


っていうか、なんでこの人こんな上から目線なのか。


最近岩城を見過ぎていて、感覚がくるってくる。


多分それなりに容姿にも自信があるからこんな横暴な態度が取れるんだろうが、瑠香にはどうみてもただのタバコ臭いチャラい男にしか見えなかった。


岩城の前には、全て霞む。


「最近高江さんやたら色っぽくなったって社内で噂になってるよ。あのクールビューティーが、って。」


「く、く?」


クールビューティー?


その恥ずかしい単語に瑠香はあからさまに眉をひそめた。


なんだそれ。


コンタクトのCMかなにかか?


とりあえず恥ずかしい。


なんか恥ずかしい。


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