眠り姫の唇


とにかくこの場から早く立ち去りたい。

このタバコ臭さから早く解放されたい。


「もう良いですか?本当に失礼します。」


「だから、そういうなって!」


急にダンッと棚を叩き、不機嫌になる目の前の男。


「ちょっと綺麗だからって調子にのるなよ?俺がせっかく誘ってあげてんじゃん。しかもよく見たら、化粧でだいぶカバーしてるよね。元は普通じゃん、フツー。」


だ、だからなんなんだ。

そうですよ化粧のパワーですよと思いながらもイチミリもこの男に言われる筋合いはない。


本格的に腹が立ってきた。



「どうでも良いですから早くそこどけて下さい。」



キッと睨みながら威圧するが、男は本当に意味の分からない事を言ってきた。








「んじゃキスしよっか。」


「は?」


この人頭おかしいんじゃないだろうか。


「キスしたらここよけてあげてもいいよ。別にいいじゃん。減るもんじゃないし。」


減るわ!唇がアンタの毒素でづるむけるわ!


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