眠り姫の唇

前川は上機嫌でパスタを口に運ぶ。

「昨日の晩から様子おかしかったから。大丈夫?あ、会議で課長に搾られたかぁー?」

先輩はホントに鋭い。

「まあ、高江。これでも食べて元気だしな。」

前川は瑠香の大好きな大きなエビを一匹ひょいっと器に乗せた。


「前川先輩ありがとうございます。あの、大丈夫です私。頑張ります。」


前川の優しさに感動しつつ、瑠香は気になっていることを聞いてみる。


「あの、先輩。岩城さんってしってます?9階の。」


「岩城ぃ?」


なんで今岩城?みたいな怪訝な顔で前川は少し首を捻った。


「岩城は私の同期だよ?結構仲は良いけど、なんで?」


「あ、やー、この前リサが騒いでたんで。」


瑠香は適当な理由を付けて顔を横に背ける。

前川は、あ!っと叫び、その後ニンマリ笑った。

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