眠り姫の唇


すると岩城は書類の間からスッと煌びやかな封筒を取り出す。


「…こんなややこしい真似しなくても、切手貼って出せばいいだろうに。」


さては切手代ケチったなアイツと罵声を浴びせながら封筒を開いた。


「綺麗ですね。」

金の刺繍模様替え印字された封筒に、瑠香は目を奪われる。




「結婚式の招待状だ。」




「えぇ!?」



ま、前川先輩…!


瑠香は心の中で叫んだ。


そんな大事なもの、一歩間違えればあの変なチャラ男に渡しそうになったではないか!

初めにちゃんと説明しておいてくれ!



「…ふーん、今から2ヶ月後だとさ。」


「あ…、」



そういえば、と瑠香は思った。


そういえば、岩城さんは前川先輩が好きで好きで…。



「…。」


「ん?なんだ、どうした。」


封筒の中身を広げながら、岩城は何でもないような顔をしている。


その表情からは、岩城の本当の気持ちはよく分からなかった。


でも、やっぱり、



本当は辛いんじゃないだろうか…。







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