眠り姫の唇


会社のホールは意外とデカい。

カウンターは一階の庶務課と繋がっていて、普通の会社なら綺麗な受付嬢とかが居そうなものだが、その席には人がいたり居なかったり。


いたとしても手のあいている庶務課の人が座っているのでガッツリ男の人だったりする。



やっぱりアバウトな会社だ。


瑠香はハイヒールをコツコツ言わせながら、入り口をくぐった。


この時間帯はやたらとエレベーターが混む。


色んな階の人がいるが、特に関わり合いもないので挨拶もお互いにしない。


チーンと7階でエレベーターが止まり、降りようと一歩足を踏み出した所だった。



ドンッ



急に背中に衝撃が走り、思わず廊下に膝をつく。



え?と一秒後に“誰かに押された”事に気付き、閉まりかけた扉を勢い良く振り返った。





「!」




そこには驚いたり笑ったりしている人達の真ん中に、明らかに瑠香を睨んでいる人物が一人……。




「(…誰?)」



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