眠り姫の唇


「だからその怖い桜子様に岩城さん捕られちゃう前に、完全に瑠香のもんにしちゃいなさいって!ね!

今週中にはっきりしちゃいなさいって!」


「そんな簡単に言うけどね…。それに、岩城さん明日から出張だし。」


「出張?」


リサは一瞬険しい顔をしたかと思ったら、高速で誰かにメールし始めた。


するとほどなくリサの携帯のバイブが震える。


「…ヤバいよ。トンビどころじゃないね。敵は獰猛なチーターよ。」


「なにそれ、どういうこと?」









「桜子様、岩城さんと一緒に一週間ロスに出張だってさ。」















ぼんやりした頭のまま、瑠香は午後の業務をこなす。


4時を回っても、いつものメールが来ない。



今日に限って。



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