眠り姫の唇
…岩城は、今日も残業だろうか。
「…夕ご飯どうするんだろ。」
岩城の事だから、近くの店ですませるのかもしれない。
あの笑顔が素敵な店主のラーメンでもすすっているのかもしれない。
それかまだ残業しているかもしれない。
残業…
“桜子様”と一緒に…?
よくよく考えれば、岩城とこんな感じになる前から、
自分が入社する前から、
岩城は桜子という女性とずっと仕事をしてきたのだ。
あの、綺麗な女性と、同じ空間で一緒に仕事をしたり、言葉を交わしたりしてきたのだ。
そんな事を思うだけで、またむくむくと嫌な気持ちが上がってくる。