眠り姫の唇


そして、仕事といえども、明日から一緒に飛行機に乗って、一緒にご飯を食べて、一緒にロスのビルを行き来して、同じホテルの隣の部屋で寝起きする。


そしてまた朝扉を開けて、笑顔で“今日も頑張りましょうね”と声を掛け合うのだ。


行きのバスでも、飛行機の中でも、おそらく隣の席なんだろう。

夜の飛行機では岩城も仮眠をとるだろう。


あの、いつも難しい顔をしている人の、無防備な寝顔をその女性が発見してしまうかもしれない。


自分しか知らないとなんとなく思っていたものが、あまりにもあやふやで、もろくて。


出所の分からない、正体不明な不安と。

それと同時に何故か怒りがこみ上げてきた。








なんか、ムカつく。









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