眠り姫の唇
瑠香がリサの怒りを鎮めようと焦って反論した。
「そんなこと言わないよ!…ただ、分かってるけど分かりたくないというか…なんか悔しいというか…恥ずかしいというか…」
「大の大人が中学生みたいな事言ってるんじゃないわよ!こっちが恥ずかしいわ!やることやっといて今更何照れてんのよ!」
「あ、そうなの。今更。なんか今更言うのも恥ずかしくて…」
“今更”という変な所に共感して瑠香が困ったように眉を下げる。
「…ほんとに瑠香って見た目と中身違うよね…。でもね、」
リサがふーっとため息をつく。
「肝心な事言っとかないと、後々面倒な事になるよ?」
「…。」
リサの珍しく真剣な瞳が妙に印象に残って、瑠香はなにも言えなかった。