眠り姫の唇


「いやいや普通のOLだから。でもまぁ社会人になって三年目だもん。色々変わるよ。」


「色々ねー。」


フレンドリーな唯のおかげで、久しぶりとは思えないほど会話に花が咲く。


やはり唯のぶっ飛んだ生活に話題が集中する。


インドの話、ブラジルの話、モロッコの話、一昨日までチリにいた話。


もちろん写真も見せてもらう。


瑠香は唯の友人であり、大ファンでもあった。


マニアックな書店にしか売っていないが、ちゃんと写真集も全て部屋に揃えてある。


目の前の飲み屋のテーブルに広がる色とりどりの写真達。


写真集に載る前のもの(+載らないもの)をこの目に出来るなんてなんて幸せな事だろう。


瑠香は彼女の極彩色な色使いが大好きだった。


彼女の瞳にはこんなにも世界が輝いて見える。



一枚一枚に目を通していると、ふいに唯が瑠香を見つめて言った。




「…あんたまた変な恋愛してるでしょ。」


「え。」



突然の指摘に瑠香は度肝を抜かれた。



< 201 / 380 >

この作品をシェア

pagetop