眠り姫の唇
「いやいや普通のOLだから。でもまぁ社会人になって三年目だもん。色々変わるよ。」
「色々ねー。」
フレンドリーな唯のおかげで、久しぶりとは思えないほど会話に花が咲く。
やはり唯のぶっ飛んだ生活に話題が集中する。
インドの話、ブラジルの話、モロッコの話、一昨日までチリにいた話。
もちろん写真も見せてもらう。
瑠香は唯の友人であり、大ファンでもあった。
マニアックな書店にしか売っていないが、ちゃんと写真集も全て部屋に揃えてある。
目の前の飲み屋のテーブルに広がる色とりどりの写真達。
写真集に載る前のもの(+載らないもの)をこの目に出来るなんてなんて幸せな事だろう。
瑠香は彼女の極彩色な色使いが大好きだった。
彼女の瞳にはこんなにも世界が輝いて見える。
一枚一枚に目を通していると、ふいに唯が瑠香を見つめて言った。
「…あんたまた変な恋愛してるでしょ。」
「え。」
突然の指摘に瑠香は度肝を抜かれた。