眠り姫の唇
厚切りにした豚肉と玉ねぎ半分だけ先に塩こしょうで炒めて、人参、ジャガイモ、残りの玉ねぎを投入。


だいたい火が通ったら、水を足して煮込む。


なんて普通のカレー。


でもある程度美味しければなんでもいいや、と瑠香はいつも思っている。


煮込んでいる間に、お風呂に湯を張る。

さすがに岩城も疲れているだろう。ゆっくり湯に浸かればいい。


適当にサラダを作って、さっき冷やしておいたビールを確認する。


うーん、そこまで冷えてないけど、カレーが煮込まれる間になんとかなるだろう。


瑠香はなんとなく、そっと部屋を覗いた。


「……寝てる。」


岩城はごろんとベッドに横になって寝ていた。


…やっぱり疲れていたんだ。


顔に出ないから本当に分からない。


夏用の薄い布団をそっとかけて、その閉じられた瞳を瑠香は静かに見つめた。


端正な顔立ちが、力なく眠っている事で幾分幼く見える。


そっと頭を撫でて、瑠香は傍らに置かれたキャリーバックに目を向けた。



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