眠り姫の唇


焼ける肉を見つめながら三國が頬を染めてぼそぼそと語った。

女二人には充分胡散臭そうに思えるのだが、どうやら三國にはそうは見えないらしい。


その三國に惚れているらしい超絶美人が目的なのか、その謎の人物自体が目的なのか。


とにかく、三國がやられているのは事実のようだ。


「人の恋路を利用するなんて、ろくな人じゃないと思うけど。」

呆れたようにリサが言う。


「うるせー常磐木!よく知らないのにあの人の事悪くいうなよ!」


「はぁ?!」


酔っ払い同士が喧嘩をし始めた横で、瑠香は静かに思った。


そういえば、まともに話した事もないな、あの人と。



カルビを口に放り込みながら瑠香はふぅと溜め息をついた。





………‥






「遅い。」



「…すみません。」



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