眠り姫の唇
ふと、瑠香は先ほどの桜子の話を思い出していた。
…もし、桜子が岩城の事を好きなら、仕事の事以外で認知されていないなんて、少し可哀想だなぁと思った。
仕事の合間にも個人を知る機会ならいっぱいあるのに、岩城フィルターを通すとこんなにも簡潔な風に写るなんて。
岩城らしいといえばらしいが、同じ女としては癪だろうな。
ふと気になって、瑠香は岩城に質問する。
「じゃあ岩城さんからみて、私ってどんな奴です?」
「瑠香が?どんな奴だって?」
また変な事聞くんだなと岩城は眉を寄せながら瑠香を強く抱き締めた。
「…そうだな。…変な奴だと思う。」
「変な奴?!」
不服そうに岩城を見上げれば、岩城は瑠香の頭に笑ってキスを落とした。